アルミ鋳物機械部品・砂型鋳造/熱処理/機械加工のオミゴウキン アルミ鋳物の表面処理

株式会社オミゴウキン

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アルミ鋳物の表面処理

表面処理をするのは、製品に付加価値をつけるためですが、一番の目的は腐食防止のためだと思います。
アルミも錆びるのですが、錆(酸化)が表面で膜になり、その膜が内部組織を保護する特徴があります。
そのため、アルミの表面処理は、わざと強い錆を作るような処理が多くあります。
もちろん、酸化膜ではなく別のコーティングや、耐食性+別の機能の付加などもあります。

また、アルミ鋳物(鋳造材)の表面処理は、アルミ展伸材と少し違いがあります。
同じアルミでも鋳造材と展伸材は、表面処理に限らず機械的性質などの違いから別の物と考えた方が良いと思います。
展伸材では一般的なアルマイト処理も、鋳物材の場合は注意(鋳物表面の微細欠陥の影響など)が必要です。

弊社の鋳造品への表面処理を、簡単にまとめてみました。

アルミ鋳物の表面処理例

弊社のアルミ鋳物製品の表面処理には、主に下記の方法を使っています。

何もしない(鋳肌面をショット処理のみ)
アルミは、表面処理なしでもごく薄い酸化皮膜を作ります。
耐食性はありますが、使用される雰囲気の影響を受けやすく腐食が発生します。 
鉄製品の置き換えの場合、表面処理なしのアルミを使用という例もあります。

クロメート処理 (アロジン処理はクロメート処理の一種)
化成処理で酸化皮膜を作ります。
薄い膜なので耐食性は少ししかありませんが、作業、設備が比較的簡単で安価に処理できます。
クロメート処理は単独ではなく、塗装前の下地処理として多く使用されています。

塗装
鋳物への塗装は、ほとんどの場合プライマーなど下地処理が必要です。
塗装することにより、耐食性のほかにいろいろな機能を付加できます。
膜厚80μでウレタン塗装された鋳物製品が、クリーンルーム内で使用されています。

陽極酸化処理(白アルマイト)
硫酸などに浸けて、通電して酸化皮膜を作ります。 通常アルマイトと呼ばれている物です。
アルマイトは、一般的に外観(発色)が良いと思われていますが、鋳物では黒くなったり色の濃淡のバラツキがあるため、美観向きではありません。
膜厚は数μあり耐食性は高いのですが、海水や電食には注意が必要です。

陽極酸化処理(硬質アルマイト)
通電して酸化皮膜を作ります。 処理条件を調整して時間をかけて、硬くて厚いアルマイト皮膜を作ります。
膜厚は20~30μ程度あり、耐摩耗性に優れています。

無電解ニッケルメッキ
通電しないでニッケル皮膜をメッキします。
白アルマイトよりも厚い皮膜(10~15μ)が必要な場合や、精度や外観が気になる部材として使われています。
耐食性+美観+取り扱い(清掃しやすい)などの特徴から、塗装ロボットなどに使用されています。

他にも、エッチング、ほうろうなどの処理があるようですが、弊社製品では見たことがありません。
(弊社の鋳物が、メッキの前処理でエッチングされているらしい)


アルミ鋳物屋としては、
・素材のままでは、耐久性が気になる。
・メッキ、アルマイトは、素材表面に微細欠陥がある鋳物には難しいところがある。
・塗装は、きれいになりますが鋳物の風合いが消えてしまう。
など、悩むところです。

■ アルミ鋳物表面処理の比較表

表面処理
耐食性
耐摩耗性
美観外観
メンテし易さ
コスト
鋳物との相性
主な用途など
クロメート(アロジン)
NG
塗装前の下地
塗装
塗装の種類により多用途
白アルマイト
一般的な防錆
硬質アルマイト
摺動面など
無電解ニッケルメッキ
外観部品など
何もしない(素材のまま)
NG
不要
なし
機械部品など